桜餅

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日を増すごとに暖かくなっていますが、京都では桜が咲き始めました。桜って聞くと「もう春なんだ」って感じがしますよね。咲きほこる桜の花をぼーと眺めていると、心を全部持って行かれそうな気分になります。「桜の花は人を惑わす」なんてよく言いますが、お花見フリークの方はソワソワしているんじゃないかと思います。そしてお花見と言えばやはり忘れてはいけないのが「花見団子」妖艶な桜の花にも心をひかれますが、ボクの場合は「花より団子」です。最近疲れぎみなのか、無性に体が糖分を欲しますw

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春に食べるお餅と言えばなんと言っても「桜餅」ほんのり香る桜の香り、そして餡の甘さと桜葉の塩味が織りなす絶妙なハーモニー…。そんな桜餅ですが2種類あるってご存じでしたか? 道明寺と呼ばれる関西風(写真左)のものと、長命寺(写真右)と呼ばれる関東風のものがあります。京都はもちろん道明寺です。というか関西では長命寺を知らない人の方が多いです。

20090301053848.jpg関西風のものは、もち米を蒸して乾燥させ粗挽きした「道明寺粉」で皮を作り餡を包んだ、つぶつぶした食感が特徴のまんじゅう状のお餅。道明寺粉は大阪の道明寺で最初に作られたことから、その名が付いたと言われています。
一方関東風は、小麦粉などの生地を焼いた皮で餡を巻いた、クレープ状のお餅です。長命寺の門番・山本新六が、桜の落葉掃除に悩まされて考案し売り出されたことから、長命寺と呼ばれるようになりました。
いずれもその地方では単に「桜餅」と呼ばれていますが、双方を区別するときには「道明寺」「長命寺」とそれぞれ呼ばれているようです。

桜餅の葉は食べる派?食べない派?

ボクはモシャモシャ食べる…というか食べるのが当たり前だと思っていたので、友人がベリベリ剥がしているのを見て驚きました。友人曰く「葉っぱなんて草食動物の食べるもの」で、しかも桜の葉には毒素が入っているから人間の食べるものじゃないんだとか…。確かに桜の葉に含まれるクマリンという成分は、過剰摂取すると肝障害を誘発することがあります。この成分は桜葉に元々含まれるものではなく、塩漬けする過程で生成され、これがあの桜餅特有の香りの元となっています。桜木に生えている葉を直接匂いでも、あの香りがしないのはそのためなんですね。桜餅の葉に含まれるクマリンはごく微量で、食べ過ぎて過剰摂取になるってことはまずありません。もっともその前に糖尿病になると思いますけどねw
よくクマリン=毒素と誤解されている方がいるようですが、クマリンには抗菌効果・沈静作用・血圧低下作用があり医療品の原料としても使われているんですよ。どんな薬でもそうですが、プラスの面もあればマイナス面もあります。「過ぎたるは及ばざるが如し」って事ですね。たまに食べる分には、毒よりプラスの効果の方が大きいです。

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そんな桜の葉の塩漬けですが、殆どが伊豆で生産されています。最も有名な産地は西伊豆の松崎町で、全生産量の7~8割がここで栽培されているそうです。残り2~3割も南伊豆町で栽培されているそうですから、ほぼ伊豆の独占状態です。なんでもこのあたりの経度でなければ、桜葉を塩漬けにしてもあの色と香りは出ないんだとか…。
桜餅の葉ってそこらへんの桜からもぎ取ったものではなく、食用に専門の畑で栽培された大島桜という品種の葉だったんですね。塩漬けにも結構手間隙かかかるそうですし食べずに捨てるなんて…と言っても食べる習慣のない方はやはり食べないんですけどね。この葉を「食べるor食べない」については、統計を見ると「食べる派」が7割近くになり、残りが「食べない派」のようで、「食べない派」の方の多くが長命寺エリアの方のようです。長命寺は比較的 桜葉が剥がしやすく、道明寺はベタベタして剥がしにくいって事が大きく関係している気がします。
せっかちな関西人は「上手くむけないなら、そのまま食べればよくね」的な感覚で食べる方が多いのかも知れませんね。

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384355.jpg京都では嵐山の「鶴屋寿」さんが桜餅で有名です。ここの桜餅は着色されていないため、道明寺粉本来の白い色、それを2枚の桜葉で包んでいます。ちょっと「めはり寿司」にも見えなくもないですけどね。
この意匠は料亭のお土産用に開発されたものなんだとか…。この「さ久ら餅」とネーミングされた桜餅、嵐山に行く機会があれば是非一度お試しあれ…素朴な甘さが癖になりますよ。


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「鶴屋寿」営業時間 / 10:00~18:00 年中無休